李清華
(沈陽師范大學外國語學院日語系 遼寧 沈陽 110034)
「話す」·「言う」·「しゃべる」の定義を辭典で見ると、どの辭典も似たり寄ったりで、次のようにまとめることができる。
話す(他五):聲を出して、言葉で事柄や自分の考えを伝える·説明する。
言う(自他五):必ずしも伝達を目的とはせず言葉や音聲を発する。
しゃべる(自五):「言う」·「話す」と比べて、より談話的である。また、口が軽くてぺらぺらと話す。
すべて「人間の言葉を使う行為」を表す點が共通する特徴である。
(1)a.ひとりごと(せりふ·早口ことば)を言う。
b.ひとりごと(せりふ·早口ことば)を話す。(×)
(2)彼女は素直にうなずいて「はい」と言った。
(3)a.冗談(お世辭·噓·悪口·出まかせ)を言う。
b.冗談(お世辭·噓·悪口·出まかせ)を話す。 (×)
(4)a.體験(思い出)を言う(×)
b.體験(思い出)を話す
「せりふ」·「冗談」などは「ことば」であり、「體験」·「思い出」は「事柄」である。したがって、「言う」は「ことば」を表出することが分かる。これに対して、「話す」は「事柄」を言葉で描寫的に説明し伝達するのである。それに、上の例によって、「言う」の伝達は「一方的」であることが分かる。これに対して、「話す」は「相手を意識している」という特徴が認められる。この特徴の違いは、「言い合う」と「話し合う」という複合動詞の意味違いにも反映される。
「言い合う」は相互に一方的な行為をしていることで、時に爭いに発展する。一方「話し合う」は、本來、合意に達することを目的とする相互的伝達である。
(1)a.暇さえあればぺらぺらしゃべる。
b.暇さえあればぺらぺら話す。(?)
この例から、「しゃべる」は表出の仕方に「コントロールがきいていない」點に特徴が認められる?!溉摔蚊孛埭颏Δ盲晁摔摔猡椁埂工狻袱筏悚伽搿工我馕钉我护膜扦ⅳ?。これに対して、「話す」は表出の內(nèi)容にコントロールがきいている。つまり「描寫的に説明し伝達する」である。この違いは、例⑵にも現(xiàn)れる。
(2)a.英語を話す
b.英語をしゃべる
aは英語で內(nèi)容のあることを伝達し得ることであり、bは英語で何かを表出し得ることが大切なので、その內(nèi)容は問題にしていない。また、「お話」は內(nèi)容を指すが、「おしゃべり」は 「コントロールがきいていない」から楽しい行為なのである。なお、「しゃべる」は相手を意識しない行為とも考えられる。この點に「言う」と共通する。
3.1 「言う」は下の例のような「動物や物が聲や音を発する」用法がある。
(1)犬がキャンキャンと言ってうるさい。
(2)風で雨戸がガタガタ言う。
3.2 (「…を…と~」などの形で)…を…と呼ぶ。名づける。
(1)村人はS醫(yī)師のことを「赤びげ先生」といっている。
(2)彼こそ天才というべきだ。
(3)実際に話したり書いたりするという具體的な動作性の弱まった用法。
①(「…と言う」の形で文を受けて)世間の多くの人が…ということを述べるの意を表す。
→「かわいい子には旅をさせろ」というが、これは現(xiàn)代でも通用する。
②(「…だと言う」「…と言う」の形で)ある人·物の資格·性格などを…であると認定し、そう表現(xiàn)するという意を表す。
→あの人は名人と言われるだけあって年をとっても腕は確かで。
③(「名を…と言う」の形で)名は…であるということを表す。
→森鴎外は本名を林太郎と言う。
④(「…と言う」の形で)話題として取り上げる?!搜约挨工搿?/p>
→このカメラは性能といいスタイルといい申し分ない。
→今度という今度はもう許せないぞ。
(4)さらに動作性のなくなった用法。主に「…という」の形で用い、これから転じた「…っていう」「…って」の形も並び行われる。仮名で書くのが普通。
①(主に「…という」「…ということだ」などの形で)話の內(nèi)容が伝聞に基づくことを表す?!嚷劋??!工毪饯Δ馈!坤饯Δ?。
→あの人には子供三人いるという。
②(「…という」「…といった」の形で)下にくる語の內(nèi)容を具體的に説明?限定する意を表す。
→部長というポストははたで思うほど楽ではない。
③(「…というもの」「…ということ」などの形で)提示する語を強調(diào)して示す。
→山國育ちの彼は海というものをまだ見たことがない。
④(副詞「こう」「そう」「ああ」「どう」に「いう」「いった」が付いて)…のような、の意の連體修飾句をつくる。
→こういう病気にはこの薬が効く。
⑤指示代名詞を「という」「といった」「といって」などで受ける。
→別にこれというはっきりした理由があるわけではないが…
→まあ、なんという立派な建物でしょう。
⑥(「…といっても」「…とはいえ」「…とはいうものの」などの形で)「確かに…ではしかし…」「…したが、しかし…」などの意を表す。接続詞的にも用いられる。
→このカメラは古いとはいってもまだ十分に使える。
⑦(接続助詞「から」を「といって」で受け、下に打ち消しの語を伴って)そういう理由があっても必ずしも…ではないという意を表す?!袱坤椁趣い盲啤工涡韦墙泳A詞的にも用いられる。
→當時は、大學を出たからといってもすぐに就職できたわけではない。
⑧(狀態(tài)を表す語を「といったらない」の形で受けて)大いに…だ、大いに…した、などの意を表す。
→そこへ本人たちが來たもんだから、彼のあわてよういったらなっかた。
⑨(「そうかといって」「かといって」などの形で)接続詞的に用いて、ある事態(tài)を前にして、それを受け入れたくないが、受け入れないのも具合が悪いという気持ちを表す。
→あの人からこんな物をもらう筋合いはないが、そうかといって突っ返すのも角が立つ。
「話す」·「言う」·「しゃべる」の三つはすべて聲を出して、自分の考えか事柄を説明するという意味を含める?!秆预Α工稀袱长趣小工虮沓訾?、伝達は「一方的」である。これに対して、「話す」は「事柄」を言葉で描寫的に説明し伝達する?!赶嗍证蛞庾Rしている」という特徴が認められる?!袱筏悚伽搿工媳沓訾问朔饯恕弗偿螗去愆`ルがきいていない」點に特徴が認められる。本稿を通して、學習者に指導に何か示唆できれば幸いと思う。
[1]森田良行.基礎(chǔ)日本語辭典.角川書店,1998.
[2]三省堂.新明解國語辭典.1999.
[3]于日平,黃文明.日語疑難問題解析.外語教學與研究出版社,2005.
[4]何午.日語近義表現(xiàn)分析.四川大學出版社,2006.
[5]趙福泉.日語讀音詞匯慣用型疑難解析.上海外語教育出版社,2003.